このような症状に
覚えのある方へ
- かたい物が食べづらい
- 食べ物が口に残るようになった
- 食事の時、むせるようになった
- 食事の時間が長くなった
- 食べ物やお薬が飲み込みにくい
- 口の中がよく乾く
- 食べこぼしをするようになった
- 滑舌が悪くなった気がする など
上記のような症状は「口腔機能低下症」によるものかもしれません。
当院長は大学病院にて幅広い世代の患者さまの診療経験を持ち、口腔機能低下症における診断や治療にも精通しております。
くやま歯科クリニック院内での診断やケアもちろん、お身体が不自由な方など通院が困難な場合には訪問歯科(往診)にも対応しておりますので、まずはお気軽に当院へご連絡ください。
口腔機能低下症とは
口腔機能低下症とは、咀嚼(食べ物を噛み砕く)、嚥下(飲み込む)、構音(発音)、唾液、感覚など口の中の機能が低下していく症状のことです。原因の多くは加齢によるものですが、疾患や障害などが要因となるケースもあります。
口腔機能低下症を放置してしまうと、次第に食事をとることが難しくなり、お口だけでなく全身の筋力の衰えにまでおよびます。
特に、高齢者の方は要介護状態につながりますので、なるべく早い段階での適切な治療や予防ケアが大切です。
オーラルフレイルと
口腔機能低下症の違いとは
口腔機能の低下というと、「オーラルフレイル」という言葉を耳にしたことのある方もいらっしゃるかと思います。
オーラルフレイルとは、口腔機能のわずかな低下や食の偏りなどを含む身体の衰え(フレイル)の一つです。
一方、口腔機能低下症は、オーラルフレイルの第3レベル・口の機能低下に位置づけられています。2018年に新たな医療保険病名として収載された歯科疾患となります。口腔機能低下症は、地域の歯科医院での対応が求められており、患者さまからのご相談も増えつつあります。
口腔機能低下症の
診断方法・ケア方法
当院では患者さまの状態に応じて適切な検査を行い、口腔機能低下症の改善と症状の悪化を予防するために、一人ひとりに合わせた治療方法をご提案しております。
1. 口腔衛生状態不良(口腔不潔)の
評価
舌苔(ぜったい)の付着度を見ることで、口の中の清潔度を評価します。
舌苔とは、舌表面に白色や黄褐色のこけ状に見えるもののことです。
舌苔に食べカスや細菌が溜まることで口臭の原因になるだけでなく、舌苔が厚くなることで味や熱を感じにくくなる場合があります。
口腔衛生状態不良の基本的なケア方法
- 食後や夜寝る前にきちんと歯磨きをする
- 歯間ブラシやフロスなども併用する
- 舌の汚れも優しく綺麗に落とす
(強く磨きすぎると逆効果) - 入れ歯を使用中の方は入れ歯もきちんと清掃する 等
2. 口腔乾燥の評価
口腔水分計ムーカスという機器や、サクソンテスト(乾燥したガーゼを2分間口に含む方法)などを用いて口の中の唾液量(水分量)を検査します。
口腔乾燥の基本的なケア方法
- こまめに水分をとる
- 舌や口をよく動かすようにする
- 唾液腺マッサージをする 等
3. 咬合力低下の評価
感圧フィルムと分析ソフトによって歯列全体の咬合力(噛む力)を計測、または残存歯数で咬合力を検査します。
咬合力低下の基本的なケア方法
- 歯ごたえのあるものを食べるなど咬む筋力を鍛える
- 虫歯や歯周病を治療する
- 被せ物や入れ歯の噛み合わせを調整する 等
4. 舌口唇運動機能低下の評価
「パ」「タ」「カ」の音をそれぞれ5秒間発音していただき、口唇や舌の動きを評価します。また、自動測定器を用いたオーラルディアドコキネシスの計測で検査する場合もあります。
基本的なケア方法
- 会話をする機会を増やす
- 滑舌の練習をする
- 舌や唇、頬の力を鍛える運動をする
- 楽器や専用の訓練器具を使用する 等
5. 低舌圧の評価
舌圧測定器などを用いて舌の力(舌圧)を評価します。普段から義歯(入れ歯)を使用されている方は装着した状態で測定します。
基本的なケア方法
- 舌をよく動かすようにする
- 口の中で舌を弾いてポンと音を鳴らす
- 舌で左右の頬を内側から押す
- 専用の訓練器具を使用する 等
6. 咀嚼機能低下の評価
グルコース含有グミゼリー、またはグルコセンサーなどを用いて咀嚼能力を評価します。こちらも入れ歯を使用されている方は装着したまま行います。
基本的なケア方法
- 舌虫歯や歯周病などがあれば治療する
- よく噛んで食事をする
(1口20~30回程度) - 咀嚼機能の訓練や食べ方のアドバイスを
受ける 等
7. 嚥下機能低下の検査
嚥下スクリーニングテストによる検査を行います。10項目の質問で構成されたアンケートに回答していただくことで判定することができます。
基本的なケア方法
- 嚥下力(飲み込む力)の検査を受ける
- 嚥下力を高める訓練をする
- 呼吸訓練などで呼吸の力を鍛える 等
生涯にわたり
食事を美味しく
楽しんでいただくために
歯科では、専門器具や効果的な運動によって舌や口周辺の筋力を鍛えたり、必要に応じてブリッジや入れ歯、インプラントなどを用いて咬合力(噛む力)の回復を図れるケースがあります。
また、口腔機能低下症は、日常生活のちょっとしたことを意識することで引き起こしにくくなります。当院では、患者さまの症状や状態に合わせて、むりなく生活に取り入れられるような方法で予防や改善に向かえるようアドバイスをさせていただきます。
患者さまに生涯にわたり食事を美味しく楽しんでいただけるよう、お一人おひとりに寄り添いながら一緒に、お口の健康を支えてまいります。お口周りで少しでもお困りの際は、どうぞ遠慮なく私たちにご相談ください。